2019年3月、知人女性=当時(32)=を読谷村の残波岬から突き落として殺害し、奪ったキャッシュカードで現金を不正に引き出したとして強盗殺人と窃盗の罪に問われ、一審那覇地裁で無期懲役判決を受けた宜野湾市の無職(38)の控訴審初公判が21日、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)であった。被告側は一審での主張と異なる新たな供述で、無罪を主張。検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。判決は3月3日。

(資料写真)福岡高裁那覇支部

 被告人質問で、被告は「(自死の手伝いを)頼まれたのは事実だが、押していない」などと、一審で主張した嘱託殺人罪を含め全面的に否認。キャッシュカードなどは頼みを一端承諾した際に渡されたが、その後に思いとどまるよう説得もしたとし、転落後に警察や遺族に連絡しなかったことなどは被害者の「思いを酌んだ」と述べた。

 検察側は答弁書で、被告の新たな供述は「不自然不合理でおよそ信用性がなく、弁護人の主張を裏付ける証拠も皆無」などと指摘。弁護側の主張で被害者が自死したとする前提については、関係証拠から「被害者には生きていく意欲が見て取れるが、自殺をうかがわせる証拠は皆無で、主張自体が失当」しているとした。