秋に控える知事選を頂点とする「選挙イヤー」の初戦、名護市長選と南城市長選が、きょう投開票される。

 新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、密を避けながらの異例の選挙となった。政府・与党が支援する候補と「オール沖縄」勢力が支援する候補の一騎打ちの結果は、県内政治の行方を左右することになるだろう。

 名護市長選は新人で前市議の岸本洋平氏=立民、共産、社民、社大、新しい風・にぬふぁぶし、れいわ新選組推薦=と、再選を目指す現職の渡具知武豊氏=自民、公明推薦=の戦いだ。

 辺野古新基地建設の是非のほか、子育て支援、経済対策、地域振興などが争点となっている。

 ただ新基地については、岸本氏が阻止を前面に掲げているのに対し、渡具知氏は前回同様、賛否を明言しない戦術をとっており、論戦の争点にはなっていない。

 一方、南城市長選は2期目を目指す現職の瑞慶覧長敏氏=立民、共産、社民、社大、新しい風・にぬふぁぶし、れいわ新選組推薦=と、返り咲きを狙う前職の古謝景春氏=自民、公明推薦=の一騎打ち。

 争点は子育て支援や福祉、経済政策など多岐にわたる。両氏は足元の課題や地域の将来像を巡って支持を訴えた。

 名護・南城市長選を皮切りに今年は7市長選が予定されている。「オール沖縄VS自公」を軸とした構図の中で、首長の勢力図がどうなるかにも注目が集まる。

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 コロナの急拡大により、両市長選告示の1週間前に「まん延防止等重点措置」が適用された。

 予定していた集会や演説会の中止が相次ぎ、運動は大きく制約された。各陣営ともSNSの発信を強めたが、有権者にメッセージが伝わっているのか、不安は隠せない。

 気になるのは投票率への影響である。コロナ禍で実施された選挙は、全国的に低迷が目立つ。

 県内では昨年の宮古島市長選、うるま市長選で過去最低の投票率となった。那覇市議選では初めて50%を割った。

 各陣営が積極的に呼び掛けた期日前投票は、当日の密を避けるために有効な手段になったと思う。

 今回、両市の選挙管理委員会は、コロナに感染し宿泊施設や自宅で療養する有権者に「郵便投票」の活用を呼び掛けた。実際の利用はどうだったのか、投票機会の確保という観点から、選挙後に検証する必要がある。

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 前回の市長選の投票率は名護が76・92%、南城が66・92%だった。名護はほぼ横ばい、南城は低下傾向にある。

 コロナ禍で投票に不安を抱く有権者もいるだろう。選管には、投票者の間隔の確保など安心して投票できるよう感染防止対策の徹底に努めてもらいたい。

 暮らしの課題や地域の問題にどう対応し、どう解決していくか、その旗振り役を決める選挙だ。結果は地域だけでなく沖縄の針路を決定づける可能性もある。

 それぞれの思いを1票に。