【名護市長選取材班】任期満了に伴う名護市長選挙は23日、投開票され、無所属現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=が1万9524票を獲得し、同市辺野古の新基地建設に反対する前市議で、無所属新人の岸本洋平氏(49)=立民、共産、社民、社大、新しい風・にぬふぁぶし、れいわ新選組推薦=に5085票差をつけ再選した。学校給食費・保育料・子ども医療費無償化など1期4年の市政運営が評価され、市民生活の向上などの訴えが浸透した。渡具知氏は新基地建設の是非を明言していないが、辺野古問題を争点に位置付けた岸本氏の敗北は、今秋の知事選にも影響を与えそうだ。投票率は前回を8・60ポイント下回る68・32%だった。

当選確実の報を受け、支持者らとバンザイ三唱で喜ぶ渡具知武豊氏(前列中央)=23日午後10時6分、名護市宮里の選挙事務所(金城健太撮影)

名護市長選の得票数

当選確実の報を受け、支持者らとバンザイ三唱で喜ぶ渡具知武豊氏(前列中央)=23日午後10時6分、名護市宮里の選挙事務所(金城健太撮影) 名護市長選の得票数

 政府が2018年12月に辺野古埋め立て海域に土砂を投入してから初の市長選。新人の岸本氏が新基地建設問題を訴えたのに対し、渡具知氏は1期目の実績や暮らしの充実につながる政策を打ち出した。

 渡具知氏の再選は、辺野古阻止を県政運営の最大の柱に掲げる玉城デニー知事にとって痛手で、今後の県政運営への影響は必至だ。

 渡具知氏は辺野古問題について「県と国の係争が決着するまでは見守る」とし「名護市の問題は基地問題だけではない。国と対立ばかりしてはいけない」と主張。政府との協調路線による着実な公約実現を訴え、支持を広げた。昨年10月の衆院選で成功した自公の連携態勢も奏功した。

 岸本氏は野党市議を中心に「オール沖縄」勢力を構成する市民団体などの支援を受けたが、辺野古沖の埋め立て工事が進む現状や、渡具知氏の子育て無償化への評価などから支持が広がらなかった。

 当日有権者数は4万9959人(男性2万4593人、女性2万5366人)。

 渡具知 武豊氏(とぐち・たけとよ)1961年8月12日生まれ。名護市許田出身。第一経済大(現・日本経済大)卒。保険代理店経営を経て98年に名護市議に初当選し、連続5期。自民系会派「礎之会」会長も務めた。2018年の市長選で初当選し、1期目。