わたしの母親の名前は、史恵(ふみえ)という。家族や仲良しの友だちには「ふうちゃん」と呼ばれていた。  そのあだ名には続きもある。親しみを込めて、からかいも交えながら、みんなは歌の一節を口ずさむように言っていた。  ふうちゃん、ふらふら、ふーわふわ--。