「多様性」が社会の中での大切な価値として言われるようになって久しい。また、さまざまな個性を「包摂」することも重要だと言われている。

 一人ひとりを見つめること、多様性を尊重することの大切さを、大学入学共通テストの朝に試験会場の東京大学前で起こった事件をきっかけに改めて思った。背景についてはいろいろなことが言われているが、ここでは、個性を育むことの大切さを改めて考えたい。

 そもそも、世の中にどんな個性があるのか、把握することは案外難しい。年齢やジェンダー、エスニシティのような特性はわかりやすいし、そのような意味での多様性を推進していくことはもちろん重要だ。一方、一見同質に見える集団の中にも、色とりどりの個性があるということは忘れないでいたい。

 今回事件を起こしてしまった少年は、地域でも有数の進学校に通っていた。そのような意味では、世間から見るとある均質の集団の中の一人に見えたかもしれない。

 一方で、...