[沖縄 稼ぐ力 生産性向上の現場](2)

 「顧客接点を強化していく」。沖縄ヤマト運輸(糸満市)の赤嶺真一社長(52)は、デジタルトランスフォーメーション(DX)で業務削減を進める理由をそう社員に説明する。作業量を減らす代わりに顧客と接する時間を増やす。さらに、人材育成の強化で、接客サービスの質を高めていく。

 そこで、DXと並ぶ強化策として取り入れたのは「ゲストアテンダント(GA)」。直営店で宅急便の受け付けなどの接客を担う社員を対象にした独自の職位制度だ。国家資格や社内試験に合格すれば、年齢を問わず正社員への道が開ける人事システムで、昨年の1年間で50人がGAに認定され、そのうち25人の契約社員が正社員となった。

 那覇新都心の営業所に勤める小橋川真理子さん(35)も、昨年11月にGA認定を受けた。認定前は1日5時間の勤務だったが、フルタイムの正社員となり「社員の一員として、会社にもっと貢献したい気持ちが強くなった」と語る。出産や育児で退職していた約2年を除き、20歳から契約社員として働いてきた。

 GAになるには、サービス接遇検定2級と...