沖縄県の米軍嘉手納基地の周辺8市町村に住む3万5566人(1万2049世帯)は28日、国を相手に米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めなどを求める「第4次嘉手納爆音差し止め訴訟」を那覇地裁沖縄支部に提起した。1982年の1次訴訟提起から「静かな夜」を求め続けて40年、原告数は当時の約40倍と過去最多となった。個々人の権利救済を求める訴訟としては国内最大規模となる原告団が、変わらぬ基地被害を訴える。

(資料写真)那覇地裁

 事前集会で、原告団準備会の新川秀清会長(85)は「私たちはこの40年、人間が人間として当たり前に生活できるよう要求してきたが、戦後77年、日本復帰50年たっても何も実現していない」と強調。「限界を越えた爆音を止めるため心を一つに頑張り抜く。それが次世代を担う子どもたちへの私たちの責任だ」と力を込めた。

 原告は、嘉手納基地周辺でW値(うるささ指数)75以上の地域に住む0歳から106歳の男女。これまでの北谷町、嘉手納町、うるま市具志川・石川、沖縄市、読谷村に加え、今回は北中城村、宜野湾市、恩納村の一部地域からも初めて加わった。嘉手納町では、町民の2人に1人が原告となっている。

 国に対し①午後7時~翌日午前7時の米軍機の離着陸やエンジン作動の禁止(予備的請求は、午後10時~翌午前7時の騒音をLnight40デシベル以下に制限)②1日の騒音をLden45デシベル以下に制限③過去・将来分の損害賠償―を求める。

 40年前の提訴に始まった嘉手納爆音訴訟の原告数は第1次が907人、第2次は5544人、第3次は2万2063人と毎回増え続け、今回は基地被害を巡る訴訟として国内最大規模だった第3次を約1万3千人上回った。

 これまでの判決は、米軍機による爆音被害の違法性と過去分の損害賠償は認める一方、原告が悲願とする飛行差し止め請求は「第三者行為論」を理由に退けている。将来分の賠償請求についても認められていない。