新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」下で1日から始まるプロ野球春季キャンプは、2年ぶりに観客を入れて実施される。受け入れる沖縄県内市町村と球団の多くは、政府方針の2万人以下よりも厳しい入場制限やファンとの交流イベントの中止を決定。感染対策に神経をとがらせながらの開催になるが、関係者は「少しでも地元の経済活性化につながれば」と無観客開催からの一歩前進を喜ぶ。
■証明書類の提示も
県内でキャンプを行う9球団のうち、ヤクルト、阪神、巨人、広島、中日、日本ハムの6球団は専用サイトやアプリなどでの事前予約を呼び掛けている。
DeNA、ロッテ、楽天の3球団も、入場時に連絡先などの記載・登録を求めるか、県の接触可能性通知システム「RICCA(リッカ)」への登録を求める。
阪神と楽天は、来場72時間以内のPCR検査陰性証明か、ワクチン2回接種後、2週間が経過していることを証明できる書類の提示が必要になる。
各球団とも選手や監督らのサイン対応や握手、写真撮影などのファンサービスは自粛し、ライブ配信などでキャンプの様子を楽しめるよう工夫している。
観覧条件は各球団で異なっており、感染状況によって対応を急きょ変更する可能性もある。市町村の担当者は、お目当ての球団のホームページで最新情報を確認の上、来場するよう呼び掛けている。
■日本ハム入場制限5割
新庄剛志監督の就任で注目が集まる日本ハムのキャンプ地、名護市はメイン球場の収容人数の5割に当たる2500人を目安に入場制限する。担当者は「(キャンプで)感染リスクが高まる懸念もあるが、感染対策を万全にして盛り上げたい」と期待を込める。
今年からロッテの2次キャンプ地となる糸満市は、メイン球場の客席670席の半数以下の300人で制限する考え。市民との交流イベントは自粛する。担当者は「コロナ禍では仕方ない。選手の安全確保も大事。球団から信頼を得られる運営を心掛けたい」と細心の注意を払う。
ある自治体の担当者は、コロナが収まらない中、有観客でのキャンプ開催に「観客はたくさん来てほしいが、感染拡大も心配。積極的にイベントを展開できないのはもどかしい」と複雑な心境を吐露した。