沖縄県糸満市北名城ビーチ周辺で、一部行楽客によるマナー違反が地域を悩ませている。数十年前から夏場はにぎわっていたが、新型コロナウイルス禍のキャンプブームが影響し、2020年からは冬場も人出が絶えなくなった。県管理で自由に立ち入りできるが、ごみの放置や騒音、農道への駐車なども発生。利用者のモラルが問われており、名城自治会は海岸に指定管理制度を導入して利用規制したい考えだ。(南部報道部・又吉健次)

キャンプ客らであふれる糸満市の北名城ビーチ。交通事故やごみ放置などが地域を悩ませている

北名城ビーチの地図

キャンプ客らであふれる糸満市の北名城ビーチ。交通事故やごみ放置などが地域を悩ませている 北名城ビーチの地図

■畑へ駐車や騒音

 「穴場」「無料」とインターネット上で取り上げられている北名城ビーチ。名城集落では20年以降、浜辺に向かう車と住民の車の衝突事故が2件発生した。

 名城自治会は、ビーチ近くを通る県道糸満与那原線が完成すれば集落を通る車両は減るとみて県に早期着工を求めてきたが、現時点で完成予定は20年代後半だ。

 行楽客の農道や畑への駐車で、砂浜に隣接する畑で作業ができなくなる例も。夏場は早い時で午前5時ごろから水上バイクのエンジン音、そして夜間は花火の音も響く。公衆トイレを使えない人が畑に入ることもあるという。

■利用規制も検討

 自治会などは集落内の通行やごみ捨て禁止を呼び掛ける看板の設置などで行楽客に訴えたが、大きな改善は見られず、逆にコロナ禍が拍車を掛けた。自治会は海岸の指定管理者になって利用を制限しようと考え、昨年7月に県と市へ要請文を提出した。

 市は(1)県から市への海岸の管理権限移譲(2)市独自の条例制定-が必要とし、自治会と協議したい考えだ。伊敷幸昌自治会長(74)は「一日でも早く実現してもらいたい」と求める。

 ただ、現場を管理する職員の給与や、施設を整備する場合には財源の問題が生じる。市は水上バイクの貸し出しなどによる自立型の指定管理を目指したい考えだ。伊敷会長は「経費のかからない方向で管理できないか」と語る。

 県キャンプ協会の玉城譲治会長(72)は、利用者がモラルを守りビーチを自由に使えることが最善だが、なかなか理想通りにはいかないと指摘。「ビーチ利用者へのマナー教育や、飲食物は地元の商店で買うなどの配慮も必要だ」と話している。