新型コロナウイルス感染拡大の影響で修学旅行が中止となった高校生に、オンラインで沖縄を感じてもらう試みを県内企業が取り組んでいる。修学旅行は高校生活の中でも「重要な学び」と位置付け、沖縄に直接足を運ばなくても歴史や文化、産業を学べる機会を提供。キャリア教育や笑いの要素も取り入れ、体験学習の新しい在り方を模索している。

オンラインで高校生らにサーターアンダギーの作り方を教える知念だしんいちろうさん=那覇市・FECオフィス

 「うちかびって知ってるね~。あの世のお金だよ~」

 7日、那覇市のFECオフィススタジオ。ユタキャラ「大兼のぞみ」を演じる人気芸人の知念だしんいちろうさんが、カメラに向かって笑顔で問い掛けた。ギャグを交えて沖縄の文化を伝えながら、サーターアンダギーの作り方を伝授。画面越しに写った東京の高校生たちは興味津々の様子で調理に取り組んでいた。

 キャリア教育支援を行うジョイオブクリエーション(座覇真理子代表)と、お笑い集団FECオフィス(山城智二代表)が手掛ける「オンライン修学旅行プログラム」の一こまだ。新型コロナの影響で多くの学校行事が縮小や中止に追い込まれる中、両社は生徒たちの学びを止めない新たな形を模索。ジョイオブクリエーションが企画し、FECのタレントが司会進行を務めることで実現した。

 座覇代表は「楽しむことを重視する従来の修学旅行ではなく、今は自然体験や平和学習、キャリア教育の要素を踏まえた教育旅行が求められている」と強調。本来は2月に沖縄を訪れる予定だった東京の高校生約220人を対象に、2日間のプログラムを組んだ。

 芸人の小波津正光さんが普天間飛行場周辺で生中継した「お笑い米軍基地」で基地問題を学んだり、県内12事業所の協力を得て観光業や伝統工芸などの職業人講話を聞いたり。オンラインでは難しいサーターアンダギーやしっくいシーサー作りなどの体験学習は、事前に同校へ材料を送付。当日は講師がオンラインで作り方を説明し、遠隔でも沖縄の雰囲気が味わえるよう工夫した。

 参加した東京都立葛飾総合高校2年の田中蓮さんは「修学旅行が中止になり残念でやるせない気持ちだったが、オンライン参加でそんな気持ちは一気に吹っ飛ぶくらい楽しかった」と笑顔。「沖縄の人の温かさと熱い思いを感じた。沖縄に行ってみたい気持ちが高まった」と感想を述べた。