【宜野湾】宜野湾市(松川正則市長)が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された職員に対して、本人が望む「通称名」の使用を認めたことが分かった。人事課に申請すれば旧姓と同じように、名札や名刺、メールの差出人名、勤務システムなどで通称名を使える。県と県内11市では初めての取り組みとみられるという。(中部報道部・平島夏実)

(資料写真)宜野湾市役所

 市の職員旧姓使用取扱要項を改正し、ことし1月1日から運用を始めた。医師の診断書の提出が必要。

 性同一性障害の当事者は例えば、心は女性でも戸籍上は男性らしい名前となっている場合、日常的なストレスを抱える。ホルモン治療などで体つきを変えた場合、名刺を差し出すと相手から不審がられるといった問題も発生している。

 一方、家庭内や友人関係の中では、心の性に合わせて自分で考えるなどした「通称名」を使っているケースが多い。

 宜野湾市は、税務署や年金事務所、医療機関といった外部向け文書のほか、職員の身分に関わる辞令書、行政処分の文書などでは引き続き、旧姓や通称名ではなく戸籍上の氏名を使う。市は2013年度、旧姓に関しては戸籍を提出すれば名刺などで使用可能としていた。

 通称名の使用は、県内の大学でも認められ始めている。沖縄大学は17年に県内で初めて、性別違和のある学生を対象に、卒業証書など対外的な証書を通称名で発行できる規定を定めた。名桜大学は、名簿や学生証などで通称名の使用を認めている。

 また、厚生労働省は、性同一性障害と診断された人の介護保険証と健康保険証の氏名欄に通称名の記載を認めるよう、各都道府県に通知している。