社説

社説[座り込み1000日]主張の正当性を訴えよ

2017年4月2日 10:00

 米軍キャンプ・シュワブゲート前で続く辺野古新基地建設に抗議する座り込みが1日、千日を迎えた。

 座り込みは沖縄防衛局が新基地建設に向けた作業を本格化させたことをきっかけに2014年7月に始まった。以来、太陽が照りつける日も、雨が降る日も、風が吹く日も、途切れることはなかった。

 雨の中、開かれた集会には約600人(主催者発表)が集まった。

 くしくもこの日は沖縄戦で米軍が沖縄本島に上陸した日。目立ったのは苛烈な沖縄戦を体験し、米軍統治下の圧政の記憶を持つ世代だ。

 城間恒人さん(77)=北中城村=は、保革を超え新基地に反対する翁長雄志氏が知事選に出馬すると聞き14年、家族を大阪に残し43年ぶりに帰郷した。沖縄が変わるかもしれないと考えたからだ。

 5歳で体験した沖縄戦。南部を転々とし、民家に身を潜めていたところ、水を欲しがり泣いた2歳の妹を日本兵が母から奪い取り、絞め殺した。米兵に見つかることを恐れたためだった。その後戦場を逃げ惑い、サトウキビ畑に隠れていた時に、父と姉が米兵の銃弾の犠牲になった。

 大学時代には反基地運動にのめり込み、教員になった。だが、米軍基地付きの「日本復帰」に絶望し、教員をやめた。1971年にもう戻らぬ覚悟で沖縄を離れた。

 今は週に3、4回座り込む。あどけない妹の姿がまぶたに浮かんで消えない。座り込みを持続させているのは「沖縄を二度と戦場にしてはいけない」との痛切な思いだ。

■    ■

 座り込む人たちに共通しているのは、民意を無視して新基地建設を強行する政府に対する怒り、沖縄のことは沖縄が決めるというウチナーンチュとしての誇り、クヮンマガ(子や孫)のために戦争につながる新基地を造らせないとの決意-である。

 沖縄防衛局に対する県の岩礁破砕許可が1日切れた。県は漁業取締船を現場海域に出し、岩礁破砕行為がないかどうかの確認を始めた。

 政府は名護漁協が漁業権を放棄したとして岩礁破砕許可は必要がなく、4月下旬にも護岸工事に着手する方針だ。県が工事差し止めや撤回を模索するのに対し、政府は県の対抗策の無効化を図るなど厳しい局面に入っていく。

 今必要なのは現地の運動の強化、県の権限を行使した取り組み、普天間飛行場より新基地が負担軽減になるという政府の「よりまし論」に反論することだ。これらを同時に進めることが重要だ。

■    ■

 政府は、新基地が普天間の3分の1の面積になることや飛行経路が海上であることを捉え、負担軽減になるという。県が敗訴した違法確認訴訟で最高裁判決も同調する。だが、新基地には強襲揚陸艦が接岸できる岸壁や弾薬搭載エリアが備えられる。住宅地の飛行回避も例外があることは防衛省も認めている通りだ。排他的管理権で自治権が制限される米軍基地が新たにできるのである。政府も最高裁もこれらの視点が欠けている。

 新基地は負担軽減にならないことは明らかなのである。

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