孤独死や事件事故があった室内の原状回復などを担う特殊清掃。沖縄県浦添市のoffice(オフィス)双葉社長の比嘉計さん(32)は凄惨(せいさん)な現場に立ち会うこともしばしば。それでも「誰かがやらないといけない仕事。使命感を持って取り組んでいる」と決意は固い。(浦添西原担当・具志堅学)

特殊清掃に当たる比嘉計さん。「誰かがやらなければならない」と決意を語る=16日、浦添市宮城

防護服に身を固め消臭作業を行う比嘉計さん=本島南部(提供)

特殊清掃に当たる比嘉計さん。「誰かがやらなければならない」と決意を語る=16日、浦添市宮城
防護服に身を固め消臭作業を行う比嘉計さん=本島南部(提供)

 線香を手向け、手を合わせる。現場に入る前には故人の魂に敬意を払う。「清掃」といっても掃除だけでは終わらない。脱臭や除菌のほか、壁や床の張り替えなど大掛かりな作業も行う。最も気を使うのが感染症対策だ。新型コロナウイルス以外の感染症に対しても用心を重ね、夏場でも防護服や防毒マスク、長靴に身を包む。

 臭いを外に出さないよう、締め切った部屋での作業。室外機から臭いが出るためエアコンも使えない。室温は40度以上に上ることもある。防護服を着ているため体感温度は50度以上だという。熱中症になるのを防ぐため20分に1度は休憩を取る。防護服の裾には汗がたまってしまう。冬場も汗だくの作業を強いられる。

 作業に集中する傍らで、1人で暮らすお年寄りや認知症の人の生活が気に掛かるという。去年の7月には玄関内で倒れ意識を失っていた人を助けたこともある。行政の支援が届かないまま、孤独な生活を送る人々を目の当たりにして歯がゆさを募らせる。「財政や、その他さまざまな問題が壁となって事態が改善しない。市町村や県が一体となって対策を考えてほしい」と話す。

 現場の清掃だけでなく、役所での手続きや遺産の処分など故人の身内から相談を受けることもある。司法書士、税理士、建築業者など専門職とのネットワークをつくりニーズに応える努力を続ける。「依頼主から『ありがとう』の言葉を頂くことが何よりの励みになる」と笑う。

 故人の持ち物の形見分けや処分、リサイクルする遺品整理も重要な仕事だ。残される家族に負担を掛けないために、持ち物の生前整理を助言するセミナーも無料で行っている。問い合わせはオフィス双葉、電話(0120)438636。