那覇市の牧志公設市場衣料部・雑貨部が28日、71年間の営業に幕を閉じた。同日夕には市場や周辺事業者、同市の関係者らが参加した閉場式があり、大勢の人々が慣れ親しんだ市場との別れを惜しんだ。
雑貨部の安田雅一組合長は「見てきた景色はちょっとずつ変わる。新しいところ(店)がどういう景色をつくるのか、期待して見ていきたい」とあいさつ。城間幹子市長は「マチグヮーの発展に寄与し、地域に親しまれたのも、市場事業者の温かい力添えがあったからだ」と感謝した。
最後は建物のシャッターを閉じてセレモニーを終えた。シャッターをしばらく見つめていた眞志喜ハル子さんは約60年、京呉服店を営んだ。「寂しいが、時代の流れ。関わった全ての方に感謝したい」と話した。
衣料部・雑貨部は1951年に開設し、82年の改築を経て現在の建物になった。
市によると今後は4月に新しい所有者へ譲渡される予定で、営業開始時期や店舗内容は未定だという。
(社会部・勝浦大輔)