新基地建設が進む沖縄県名護市辺野古沖の「長島」の北側海域でサンゴ約100体が散乱しているのが確認された件について、サンゴ移植の専門家は3日、「人の手で採捕されたものなのは確か。藻の付き方などから放置した状態」だと指摘した。散乱したサンゴが確認された現場はK8護岸の延伸予定地付近で、周辺には移植対象のサンゴが3万8千群体以上、生息している。(北部報道部・當銘悠、政経部・大城大輔)

散らばったサンゴが確認された場所

ひっくり返った状態のサンゴ。切断面に藻類が生えている=2日、名護市辺野古沖の「長島」北側の海域(ダイビングチーム・レインボー提供)

散らばったサンゴが確認された場所 ひっくり返った状態のサンゴ。切断面に藻類が生えている=2日、名護市辺野古沖の「長島」北側の海域(ダイビングチーム・レインボー提供)

 現場を確認した市民らによると、散らばったサンゴは1メートル以上の大きさのものもあった。サンゴの移植に詳しい東京経済大学の大久保奈弥准教授(生物学)は「塊状のサンゴが自然に折れることはほとんどない」とし、もし新基地建設に伴う移植作業中に放置されたとすれば、沖縄防衛局が環境監視等委員会に示した資料に明記された「ストレスを最小限にする」移植方法とは言えないと指摘した。

 大久保准教授によると、サンゴ移植は一般的にハンマーなどの工具で採捕して運搬し、移植先に水中ボンドなどで固定する。一時的に移植元や移植先に置いておくことはあるという。

 ただ今回、見つかったサンゴは切断面に藻類が生えたものやひっくり返ったものもあり「採捕から一定の時間がたっていることが考えられる」と説明。新基地建設に伴う移植作業中のものであれば、防衛局が資料で提示した「運搬と固定の短縮」も順守されていないとし「物として放置している状態だ」と批判した。

 同現場でのサンゴ移植について、県は特別採捕許可を巡る訴訟の最高裁判決を受けて2021年7月に特別採捕を許可。防衛局は8月16日に移植作業を開始した。期限は22年6月27日。

 K8護岸は全長約515メートルで、現在は220メートルで止まっている。防衛局は護岸の延伸上にあるサンゴ移植を終え次第、護岸を約190メートル延ばす工事に入る方針で、3月下旬にも着手する可能性がある。

 現場は臨時制限区域内。現場を撮影したダイビングチーム・レインボーのメンバーはサンゴ調査のために入ったとしている。