沖縄県宜野湾市が整備中の公園の湧き水から2020年7月、発がん性が指摘される有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が高濃度で検出されていたことが9日、分かった。PFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)の合計値は1リットル当たり210ナノグラム(ナノは10億分の1)で、国の暫定指針値・目標値(1リットル当たり50ナノグラム)の4・2倍。湧き水は、近隣の公園や住宅街の水路まで引く計画になっている。宜野湾市は防衛省予算で22年度に浄化装置を設置し、安全性が確認できれば23年度にも湧き水を引く方針。

湧き水の汚染が分かった整備中の公園。湧き水のポンプはブルーシートで覆われている(手前)=9日、沖縄県宜野湾市

汚染が分かった湧き水の周辺

湧き水の汚染が分かった整備中の公園。湧き水のポンプはブルーシートで覆われている(手前)=9日、沖縄県宜野湾市 汚染が分かった湧き水の周辺

 汚染が分かったのは市大謝名の「てぃーちがー公園」内。湧き水をポンプでくめるように整備を進めている。湧き水は市大謝名の「しちゃばる公園」のビオトープにつなぎ、隣接する歩道沿いの水路まで引く計画。「しちゃばる公園」と水路は既に完成している。

 市は、活性炭を使った浄化装置を「てぃーちがー公園」内に設置する方針。設置後の水質調査の時期や回数は未定。公園の飲料水には上水道を使う。

 浄化装置には、防衛省の「防衛施設周辺整備統合事業」の予算を充てる。市によると「てぃーちがー公園」は同予算で整備が進んでおり、公園のコンセプトに湧き水が欠かせないため、装置にも防衛省予算が付く見通しだという。

 湧き水を引いた「わかたけ児童公園」(市真志喜)の池では、PFOSとPFOAの合計値が19年12月に690ナノグラム、20年8月に400ナノグラム検出され、現在は湧き水を止めている。米軍普天間飛行場周辺の他の湧き水でも汚染が判明しているため宜野湾市は基地内の立ち入り調査を求めているが、実現していない。

 宜野湾市議会は3月定例会で同日、「てぃーちがー公園」の整備を盛り込んだ補正予算案を賛成多数で可決した。野党の桃原功市議は「公園建設はいいが、湧き水をあえて放流すべきではない」と反対討論した。(中部報道部・平島夏実)