8日に沖縄県宜野湾市であった花火大会「琉球海炎祭」。フィナーレを飾った世界的デザイナーのコシノジュンコさんがデザインした花火を作ったのは、東京都の花火師、小勝(おがつ)康平さん(34)。国際的な花火大会で昨年、世界一となるなど一線で活躍する。コシノさんの奇想天外な発想に驚きながらも「日本一早い夏が来る沖縄で打ち上げられ、職人として何よりうれしい」と感謝していた。

「沖縄の方々の支えで続けられている」と語る花火師の小勝康平さん=8日、宜野湾市の琉球海炎祭会場

コシノジュンコさんのデザインなどをベースに、小勝さんが作った花火=9日、宜野湾海浜公園で開かれた「琉球海炎祭」 

「沖縄の方々の支えで続けられている」と語る花火師の小勝康平さん=8日、宜野湾市の琉球海炎祭会場 コシノジュンコさんのデザインなどをベースに、小勝さんが作った花火=9日、宜野湾海浜公園で開かれた「琉球海炎祭」 

 14回目を迎えた琉球海炎祭では、宜野湾市のトロピカルビーチに1万発の花火が打ち上げられた。コシノさんが描いたのは、夜空に白銀の竜が飛んでいるような絵だったり、黒を背景に青と白のペンキをたらしたような模様だったり。小勝さんは、幾重にも重なる線状の花火や、所々現れる青い花火などで表現した。

 小勝さんは、1864年に創業した日本を代表する花火製造会社「丸玉屋小勝煙火店」(東京都)の花火師。父が4代目で、子どものころから花火の筒の掃除をしたり、付いて行った会場で打ち上げの様子を間近で見たりしてきた。F1レーサーになる夢もあったが、「自分が打ち上げた花火でお客さんの歓声や笑顔を誘いたい」と大学卒業後の24歳で入社。こつこつ修行を積み、昨年7月、世界各国の花火製造会社が腕を競う第28回マカオ国際花火コンテストに日本代表として出場し優勝した。

 琉球海炎祭がコシノさんと組み始めたのは2010年から。小勝さんはデッサン現場に同席し、描いた絵を受け取ってから花火を作る。雅楽やオペラなどの音楽を絵で表現するコシノさん。花火が打ち上がる進路を「曲げて」と要望したり、夜空なのに黒い点が描いてあったり、表現の難しいデザインは多い。

 小勝さんは「想定を超えていて悩むことはあるが、作れないとは言いたくない。毎年新たな手法や発想に気づくことができて、刺激になっている」と話す。

 花火師として一番の喜びは、すべて打ち上げた後の静けさだという。帰路に就くお客さんの笑顔を見ると達成感が湧いてくる。「地元の皆さんの協力で続けられている。毎年楽しませられるように腕を磨きたい」と来年を見据えていた。(社会部・伊藤和行)

「沖縄の方々の支えで続けられている」と語る花火師の小勝康平さん=8日、宜野湾市の琉球海炎祭会場

コシノジュンコさんのデザインなどをベースに、小勝さんが作った花火=8日、宜野湾海浜公園で開かれた「琉球海炎祭」