【石垣】国の特別天然記念物に指定されるカンムリワシの交通事故が石垣島で相次いでいることを受けて、環境省石垣自然保護官事務所や石垣市などは16日、石垣空港で観光客らに啓発チラシを配布し、車を運転する際は法定速度を守り島の生き物に配慮するよう注意を呼び掛けた。

観光客らにカンムリワシ事故防止の啓発チラシを配布する環境省職員(右から2人目)ら=16日、石垣空港

 石垣島では今月5日に一日としては最多となる3羽の事故が発生。2022年の累計ではすでに6件に上り、前年の8件に迫っていることなどから、県環境部を含めた3者で9日に初めて「非常事態宣言」を発出した。ただ15日にはさらに2羽が被害に遭っており歯止めがかかっていない。

 啓発活動には保護団体「カンムリワシ・リサーチ」など民間ボランティアも参加。石垣空港に到着した観光客らに向けて「カンムリワシの事故を防ごう」「島の生き物にやさしい運転をお願いします」と書かれた横幕を掲げ、一人一人に宣言を伝えるチラシや事故発生地点を記した「運転注意マップ」を手渡した。

 3泊4日の石垣島旅行を終えて自宅がある大阪府に戻るという主婦の樋口晶子さんは「こんなに事故が多いんだ」と驚いた様子。滞在中のドライブでは飛び出し注意看板を目にする一方、カンムリワシの姿は確認できなかったといい、「明るい時間帯に事故が起きていることを考えると、運転手が気を付けるしかないのかなと思う」と話した。

 市教育委員会文化財課の波照間督朗さんは「3月末にかけては幼鳥・成鳥共に餌を求めて活発に動く時期でさらなる事故が懸念される。法定速度を守り人にも動物にも優しい運転を心掛けてほしい」と呼び掛けた。

 (八重山支局・粟国祥輔)

(写図説明)観光客らにカンムリワシ事故防止の啓発チラシを配布する環境省職員(右から2人目)ら=16日、石垣空港