[ティンクティンクのコラムユイヤサ!](48) 我那覇セイラ

我那覇セイラ・ティンクティンク

私の道標、りんけんバンドに囲まれて(我那覇セイラ提供)

我那覇セイラ・ティンクティンク 私の道標、りんけんバンドに囲まれて(我那覇セイラ提供)

 父に肩車をしてもらい、にぎわう人々の間からやっと見ることができたステージ。そこには、まるでシーサーのような気迫の男の人たちと、きらびやかで美しい女性の姿がありました。

 幼い私の頭上を力強いサウンドと歌声が一直線に、サッと風の如(ごと)く通って行きます。波紋が広がるように、会場中の人たちがその風に反応して共に歌い、掛け声をかけ、踊っていました。

 今でも鮮明に覚えている「りんけんバンド」を初めてみたときの記憶です。

 それから20年近くたち、とあるきっかけで林賢さんにお会いすることになりました。私の中で、あのシーサーのようなイメージの林賢さんは当時のままの姿で、私はカチコチに緊張していました。

 しかし林賢さんが一言発した瞬間に、そのイメージは覆されました。優しい口調でよく冗談を言って笑わせてくれる。お話が面白くて、つい長話をしてしまいました。そして「ティンクティンクのオーディションを受けてみないか?」と声をかけて下さいました。

 子供の頃から憧れていた方からまさか、こんな話を頂けるなんて。私はうれしい半面、唄三線の経験がなかったので「え、私にできるんですか?」と及び腰な返事をしてしまいました。

 すると林賢さんは「登川誠仁さん知っているでしょう? 三線の名手と言われているけど、あの方も三線を弾いたこと無かったんだよ。最初は皆、誰でも初心者から始まったんだよ」と話してくれたのでした。

 「そうか、誰でもやってみないことには始まらないんだ」。チャンスを頂き、それから練習に励み、今に至ります。

 りんけんバンドは、私の人生の根底であり、道標です。まだまだ遠い道ですが、父の肩車から見たあの景色は、その先の道を照らしてくれています。(おわり)