住宅リフォームを巡るトラブルの相談が、全国と沖縄県内で増加傾向にある。本島中部に住む自営業の男性(59)は、本当に実施したか分からない追加工事などの名目で当初見積額の3倍を超える代金を支払った。返還を求めて業者を提訴し、「工事完了」から6年近くがたつ今も係争中だ。専門家は「高齢者を狙った詐欺まがいの訪問営業もある」と注意を呼び掛けている。(社会部・城間陽介)

実施したか分からない工事を含むリフォームの内訳明細書(男性提供)

実施したか分からない工事を含むリフォームの内訳明細書(男性提供)

■嘆く住民

 「妻と老後を快適に過ごすためのリフォームだったのに、売り払って引っ越したい気分になる」。本島中部の男性は嘆く。

 2015年10月、自宅の改装工事を旧知の業者に依頼した。業者が提示した見積額はトータル約500万円。「業者を信頼していた」と口頭で契約を済ませた。

 だが、人手不足や資金繰りを理由に工期が大幅に遅れた揚げ句、業者は追加工事費、諸経費名目の出来高払いを要求。男性は計8回、1500万円余を振り込んだ。実態が分からない追加工事は14カ所に上る。

 本紙が当初見積もりの3倍超に膨らんだ請求について聞くと、業者は「正当と考えている」と回答した。

■対処法は?

 消費者トラブルに詳しい宮國達也弁護士によると、県内では追加工事名目による架空請求のほか、欠陥工事や契約不履行が散見されるという。「屋根や天井裏、床下など家主の目が届かない部分の改修を持ち掛け、契約金をだまし取る手口も多い」と話す。

 対処法として、「身内や旧知の業者に依頼する場合であっても、複数の見積もりを取り、書面で契約を交わすこと。高額であれば即断せず相談してほしい」とアドバイスした。

■全国トラブル相談1万件

 全国から住宅リフォームトラブルの相談が寄せられる公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(東京)によると、2000年に業務を開始して以降の21年間で、相談件数は270件から9197件と34倍に増えた。13年度以降は1万件前後で推移し、最多は19年度の1万1948件だった。

 沖縄からの相談は11年度の15件から緩やかに増加し、最多は19年度の50件。20年度は31件だった。別組織の県消費生活センターも、年間30~60件の相談を受けている。

 支援センターがまとめた「住宅相談統計年報2021」によると、リフォーム相談の年代別最多は50代で、全体の26%を占める。トラブル相談で多いのが工事後の「雨漏り」「剥がれ」「ひび割れ」など。

 支援センターは見積価格が妥当か助言をする「リフォーム見積チェックサービス」なども実施する。

 問い合わせは「住まいるダイヤル」、電話03(3556)5147。