沖縄県うるま市伊計島の伊計島共同売店が経営悪化による存続の危機に陥っている。来年には創立100周年を控える歴史ある共同売店は、島の住民の生活に密着した欠かせない存在。自治会や地域住民は試行錯誤や議論を重ね、存続への道を探っている。

「共同売店を残したい気持ちは皆同じ」と存続の道を探る伊計自治会の玉城正則自治会長=14日、うるま市伊計島

(中部報道部・仲村時宇ラ)

 伊計自治会の玉城正則自治会長によると、同共同売店は1923年に区民の出資で設立され、島の生活を支えてきた。しかし82年の伊計大橋完成の数年後から赤字経営となった。

 近年では人口減少による地域の購買力の低下や、コロナ禍での観光客の減少などで毎月5万~15万円ほどの赤字が発生。店内で食事できる「シマキッチャ」や、総菜販売などにも取り組んできたが、黒字化には至っていなかった。

 昨年12月には自治会の審議委員会で共同売店の運営について議論。経営危機を訴え、利用を呼び掛けるチラシを配布すると、1、2月は黒字となったため、経営状況を確認しながら審議を継続することとなった。

 共同売店は独自の積立資金で運営しているが、自治会がその一部を費用負担しているため、企業や個人への業務移転などを求める声も上がる。一方で、共同売店は日々の買い物だけでなく毎日のコミュニケーションや高齢者の見守りの場ともなっており、その福祉的な役割が失われると懸念する声もある。

 「活用の可能性はいくらでもある」と話す玉城自治会長。今後は多くの観光客の利用を促し、その利益で共同売店を支える経営を目指す。そのため、伊計島産の麦で作ったビールなど、地域の特色ある商品の販売も開始。玉城会長自ら売店で販売する麦わら帽子の作り方を学ぶなど、経営改善に向けた努力も続ける。

 5月末までは営業を続け、経営状況を見ながら、改めて審議委員会で共同売店の今後について議論する予定。玉城自治会長は「共同売店がなくなってしまえば、ふるさとの島の風景がなくなってしまう。残したい気持ちは皆同じ。地域の重要な役割を担う共同売店をなんとか残したい」と存続への思いを語った。