[エネルギー新時代](9)

 電気とガスの小売りが自由化され、県内でも業種の垣根を越えた競争が生まれてきた。消費者は選択肢が増えるメリットがある一方、エネルギー事業者は、顧客獲得に向けたサービス向上や価格設定に加え、新たな競争を乗り越える収益体制の強化にも追われる。

 そこへ脱炭素の波が重なる。2020年10月、政府が50年の二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロを打ち出し、国内の機運が一気に高まった。沖縄電力カーボンニュートラル推進本部の屋宜誠副本部長は「政府が本気度を示したことで、雰囲気ががらりと変わった」と話す。

 政府方針を受け、沖電は同年12月に50年までにCO2排出を実質ゼロとするロードマップ(工程表)を発表した。電気小売り自由化前からある大手電力会社10社の中で最速。屋宜副本部長は「離島のハンディがある沖縄だからこそ、いち早く取り組まなければいけない」と覚悟を語る。

 ただ、「われわれの努力だけでは限界がある」とも吐露する。沖電は、県内企業や市町村と脱炭素に向けた包括連携協定の締結を進めている。...