沖縄県文化観光スポーツ部は30日、2022年度から10年間の第6次観光振興基本計画案を議論する県観光審議会(会長・下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)を開いた。観光従事者の待遇改善を図るため、正規雇用の20代従事者の平均年収を2019年比10・4%増の280万円、役職者の平均年収を4・6%増の448万円とするなど31年度までの目標値案を公表した。同計画は5月末ごろに正式公表する予定。(政経部・川野百合子)

 同計画案では、沖縄観光が目指す将来像(ビジョン)に「世界から選ばれる持続可能な観光地-世界とつながり、時代を切り拓(ひら)く、『美ら島 沖縄』-」を掲げる。自然環境や地域住民の生活環境への影響を軽減しながら、観光産業の成長を促す。そのため、目標値も社会と経済、環境の三つの視点で設定。調和が取れた沖縄観光の実現を目指す。

 特に今回、観光従事者の所得水準の向上を図り、誇りを持って産業の発展に取り組める環境づくりを目指すため、具体的な年収増を掲げた。

 県の調査によると、県内179宿泊施設を対象にした2019年の20代正社員の平均年収は253万6092円。係長、課長、部長級などの役職者の平均年収は427万9381円だった。県の「稼ぐ力に関する万国津梁会議」の提言で、3年以内に1人当たり月額給与を平均で1万円以上アップすることを示していることから、10年間で、月2万円の上昇を目指した。観光収入は年間1兆2千万円、延べ宿泊者数は4200万人を掲げる。また社会的な側面から、県民の幸福度や観光従事者、観光客の満足度の向上、環境面で脱炭素に取り組む施設数などを提示した。

 出席した委員からは「パートと正社員の働き方や役割が違う。雇用環境の改善について、全員を正社員化すればいいということではない」との指摘が出た。また、経済的指標について「観光の自給率や経済波及効果を、定期的に測定するような指標が必要ではないか」との意見も出た。

 審議会は意見を踏まえて再度調整し、4月に県知事へ答申する予定。同計画は5月に公表するが、成果目標は上位計画の新たな振興計画の成果目標も踏まえて、10月ごろに公表する。