【西表島=竹富】西表島、白浜林道のヤエヤマヒメボタルが見頃を迎えている。3月12日午後7時半ごろ、林道の斜面は一面にホタルの光で埋め尽くされ、まるでイルミネーションのように見えた。幻想的な光景に涙を流す見物客もいるほどだという。見頃は4月下旬ごろまで。

飛びながら発光し幻想的な輝きを放つヤエヤマヒメボタル=3月、西表島(宮崎匠撮影)

 日没から約30分後、暗闇の森はホタルの「大合コン会場」となる。オスが地面から1メートルほどの高さで飛びながら発光し、メスに求愛する。メスは羽がないので飛べない。地表にオスが飛んで来るのを待つ。オスがメスに舞い降りカップルが成立すると、光を消し、交尾が始まる。

 ヤエヤマヒメボタルは西表島や石垣島など八重山諸島のみに生息する。体長2~5ミリほどの日本で1番小さいホタルだが、発光の点滅速度は本州のホタルに比べてとても早く、照度も明るい。そのため30分程度しか発光できないという。

 ホタルは一般的に水辺にいると思われているが、水辺に生息する国内の水性ホタルはゲンジボタル、ヘイケボタル、クメジマホタルの3種のみという。ほか約40種は陸に生息する陸生ボタルだ。

 埼玉県から観光で訪れた高橋枝美さん(31)は「生まれて初めてホタルを見た。とてもきれいで感動した」と喜んだ。辺りはヤエヤマオオコウモリが飛び交い、リュウキュウコノハズクやカエルなどの鳴き声が響き渡る。クチナシの花が満開で、良い香りが漂っていた。(前大歩通信員)

(写図説明)飛びながら発光し幻想的な輝きを放つヤエヤマヒメボタル=3月、西表島(宮崎匠撮影)