沖縄が日本復帰した1972年以降、陸上自衛隊が沖縄周辺で実施している緊急患者空輸の件数が6日、1万回に達した。同日、けがをした南大東島の80代女性をヘリコプターで航空自衛隊那覇基地まで運び、消防に引き継いだ。

1万回目となる緊急患者空輸で那覇に到着した患者を担架に乗せ、救急車に運ぶ那覇市消防局の救急隊員=6日午後2時50分ごろ、航空自衛隊那覇基地

 緊急患者空輸は、医療が不足している離島などで救急搬送の必要が生じた際、県からの災害派遣要請を受けて対応している。

 全国で実施しており、那覇に拠点を置く第15旅団第15ヘリコプター隊は県全域と奄美大島以南をカバー。ヘリや固定翼機を配備し24時間体制で対応している。

 72年12月1日に米空軍から任務を引き継いで以来、6日で件数は1万回、搬送した人数は1万365人となった。このうち県内分は8155件、8503人と大半を占めている。

 90年には宮古島沖、2007年には鹿児島県の徳之島でそれぞれ墜落事故があり、添乗医師1人と隊員7人が亡くなっている。

 急患空輸隊長の中村恭幸3等陸佐は「医療体制が十分でない所に住む県民の安全安心につながることだと思っている。1万回目の任務を完遂でき、安堵(あんど)している」と語った。(社会部・島袋晋作)