沖縄県環境科学センターは4月7日、世界最長の貝類とされるエントツガイが西表島で見つかったと発表した。フィリピンなどの熱帯域で生息が確認されていたが、国内では初めてという。3月31日発行の沖縄生物学会学術誌に掲載された。

西表島で見つかったエントツガイ(小澤宏之さん提供)

 エントツガイはフナクイムシ科エントツガイ属の二枚貝類。成長とともに最大1・5メートル超になる厚い石灰質の棲管(せいかん)を作り、煙突状に体を覆う。エネルギー源は、人体には有害な硫化水素を栄養源とするバクテリアに頼っていると考えられている。

 フナクイムシ科の多くの種は木材に穴を開けて暮らすが、エントツガイは泥に深く潜って生息する。生態には不明な点が多いという。

 同センター総合環境研究所の小澤宏之所長らは2019年、県の委託を受け西表島北西部の船浮湾で海洋生物の分布を調査。マングローブ林が生い茂る内湾の海草藻場を調べたところ、エントツガイとみられる棲管の一部を偶然見つけた。昨年10月に再調査し、全長1メートルの本体部分の棲管を発見。これまでは謎だった酸素などを吸い込む水管も生きたままの状態で撮影でき、世界的に珍しいという。

 小澤所長は「まさか沖縄に生息しているとは思わなかった」と驚いた様子。生息範囲が極めて狭いことから今後、希少種指定や生息環境の保全について行政などに働きかけるという。(社会部・平良孝陽)