[東京報道プラス][アクロス沖縄](167)「横浜鶴見プロジェクト」委員長 下里優太さん(40)=那覇市出身

「ウチナーンチュのチムグクルを大切に活動の輪を広げたい」と話す下里優太さん=横浜市鶴見区の「おきなわ物産センター」

横浜鶴見プロジェクト実行委員会の公式ロゴマーク

「ウチナーンチュのチムグクルを大切に活動の輪を広げたい」と話す下里優太さん=横浜市鶴見区の「おきなわ物産センター」 横浜鶴見プロジェクト実行委員会の公式ロゴマーク

 横浜市鶴見区を舞台にしたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の放送決定に合わせ、昨年12月に結成された「横浜鶴見プロジェクト実行委員会」の実行委員長を務める。地域の26団体・企業とともに鶴見区の魅力を発信し、地域活性化を目指す。本業は地元で創業36年になる小売・卸販売業「おきなわ物産センター」の社長。「街を盛り上げることで店も繁盛する。ウチナーンチュのチムグクルを大切に、活動の輪を広げたい」と話す。

 鶴見区は京浜工業地帯の一角に位置し、県出身者が多く住む「沖縄タウン」と呼ばれる。沖縄にルーツを持つ南米の2、3世や韓国から来た人も多い。多様性を吸収し、取り込んできた街の歴史がある。

 おきなわ物産センターがあるのは、地域の憩いの場でもある鶴見沖縄県人会館の1階。浦添市でスーパーを経営していた父が1986年、鶴見に移住して創業した。物産販売だけでなく沖縄そばの店や製麺所も経営してきた。

 下里さんは那覇市で生活していたが、幼い頃から「跡を継いでほしい」と父に言われていた。神奈川県の大学で経営学を学び、卒業後はスーパーに就職して小売業のノウハウを学んだ。その後、おきなわ物産センターで働き、2016年、社長に就任した。

 「父から『客とドゥシグヮー(友達)になれ』と言われてきた。コミュニティーを大事に、客に喜んでもらえる店を心がけている」。社員は現在28人。店内に入ると沖縄の音楽が流れ、ウチナーグチが飛び交い沖縄の商品がずらりと並ぶ。地元客だけでなく、関東に住む県出身者や沖縄ファンが集う。

 本業以外でも県人会青年部をまとめ、沖縄民謡やエイサーなどが楽しめる恒例イベント「鶴見ウチナー祭」を企画、運営。鶴見の魅力を詰め込んだ映画「だからよ~鶴見」の製作にも関わった。

 20年に公開され、各方面から評価を得たため、製作メンバー4人で沖縄をテーマにしたエンターテインメントを扱う会社「リバーストーン」を翌年に設立。イベントの企画だけでなく、「ウチナーンチュは世界中にいる。それぞれの県人会をPRする映像を制作したい」と今後を展望する。

 横浜鶴見プロジェクト実行委員会は、区役所の呼びかけで県人会、商店街、大学、企業などが結集。鶴見の魅力を交流サイト(SNS)などで情報発信する。「多様な国籍の人が住み、さまざまな文化が共存する鶴見」をカラフルな色で表現したロゴマークも作った。

 「沖縄の日本復帰50年の年に放送される朝ドラのブームに乗り鶴見と沖縄の歴史と地域の魅力を多くの人たちに伝えたい。鶴見に来ると胸が高鳴る、わくわくする『ちむどんどん』する街にしたい」と笑顔で話した。(社会部・吉川毅)

 しもざと・ゆうた 1981年生まれ、那覇市出身。沖縄尚学高、文教大学情報学部経営情報学科卒業。神奈川県内のスーパー勤務後、「おきなわ物産センター」に就職。2016年、社長に就任。21年には沖縄をテーマにしたエンターテインメントを扱う会社「リバーストーン」を設立。横浜・鶴見沖縄県人会青年部事務局長も務める。