県内の養豚用飼料価格が、2008年以来の最高値を更新したことが12日までに分かった。4~6月の県内飼料価格は1トン当たり前年同期比1・2倍の7万7838円。主原料のトウモロコシの需要が中国で旺盛なほか、南米で大豆が不作となっているためだ。県内で豚熱(CSF)発生に伴いワクチン接種の負担も重なり、直近5年で46戸が廃業した。養豚業界は行政の支援を求めている。(政経部・國吉匠)

県内養豚農家の飼料価格の推移

 飼料価格はコロナ前の19年4~6月は5万6600円で、年々上昇傾向にある。直近1年で1万1770円上がった。これまで肉用牛や養鶏用の飼料が高値だったが、今年1~3月には養豚の飼料価格が全畜種の平均を上回ったという。

 飼料価格は昨年比で15%上回ると、農家の影響を緩和するため、全国配合飼料供給安定基金から補(ほ)填(てん)される。ただ、今回の高騰を受けて交付されるのは8~9月ごろで、補填額も未定。農家はすぐに支援を受けられないのが実情だ。

 飼料価格の上昇が農家経営を逼(ひっ)迫(ぱく)し、農家の廃業や生産量にも影響が出ている。県養豚振興協議会によると、20年度のと畜頭数は前年度比5%(1万6430頭)減少した。枝肉生産量も5・2%(1342トン)減の2万4305トンとなった。

 豚熱ワクチンは1頭当たり160円かかる。種豚には年1回、接種する必要がある。1万2千頭を飼育する国頭村の農家は、豚熱のワクチン以外のワクチンも接種していて、1頭当たり約900円かかっているという。「1頭当たりの接種額は少ないが、飼育頭数が多いので負担は大きい。コロナ禍の販売不振も重なり、苦しい状況だ」と話す。

 同協議会の金城栄会長は「各農家は、子豚をよく産む優良種豚を県外から購入するなど、生産性を上げる自助努力をしている。県には飼料コストやワクチン接種費用を支援するなど、早急に策を講じてほしい」と求めた。

(写図説明)県内養豚農家の飼料価格の推移