基地のない平和な島へ―。沖縄戦と米軍統治を経て「県民」に戻った沖縄の人々は、日本復帰に抱いた思いがかなわない現実に、すぐ直面した。

 復帰の日の1972年5月15日から、半年もたたない10月。ベトナムを攻撃するためのB52戦略爆撃機が、米軍嘉手納基地へ100機以上飛来した。米軍の出撃拠点となった沖縄を、ベトナムの人たちは「悪魔の島」と呼んだ。

 「悪魔なんて呼ばれたくない」。基地に隣接する読谷村。読谷高校の生徒は10月28日、B52飛来に抗議する集会を開いた。マイクを握り、熱弁する青年。校庭に並べられた椅子に座った生徒が、じっと聞く写真が残る。

 「集会は強烈な印象が残っている」。当時3年生だった上地哲さん(68)は、同級生の言葉が忘れられない。「基地に入ってB52を解体しよう」。普段は基地や政治の話をしない生徒だった。...