沖縄県北谷町立桑江中学校3年の前田優月さん(14)、2年の名嘉眞類さん(13)、吉田兼琉(ともる)さん(13)、松田龍空(たつく)さん(13)の仲良し4人組が、道に倒れていた高齢者女性を見事な連携プレーで保護した。4人の善行に感心したニライ消防本部北谷消防署が後日、学校へ連絡。玉城祥(やすし)校長は「ちゅうちょなく判断した行為が素晴らしい人命救助につながった。本校の誇り」と生徒をたたえた。
■倒れている女性
4人が異変に気付いたのは、3月8日午後5時ごろ。卒業式の準備の手伝いを終え、下校時に宮城の駄菓子屋の前を通ると、歩道に高齢の女性が倒れていた。
「早く助けないと大変なことになる」。4人は女性に声をかけて支えたが、立ち上がることもできなかった。
4人のうち1人がスマートフォンで北谷消防署へ救急車の出動を要請。到着するまでの間、女性に座ってもらい「大丈夫?」と声をかけて励まし続けた。
救急車が現場付近に到着すると女性のそばまで誘導し、救急隊員の指示に従い行動した。女性は病院で骨折と診断された。
■落ち着いた電話
松田さんがこの出来事を家で話すと、松田さんの友達のおばあさんと知ったという。
4人は「みんなで協力しておばあさんを助けることができ、ホッとしている。大事に至らず幸い」と述べた。
当時の救急隊長玉那覇有之さん(41)、隊員の山城康幸さん(37)と知花清道さん(42)は「生徒のとっさの行動が素晴らしい。落ち着いた電話での説明と救急車の誘導が適切だった」とたたえていた。(翁長良勝通信員)