那覇市出身で千葉県に住む上地政己さん(58)は17日、両親が戦前に生活していた那覇空港敷地内の旧大嶺集落の拝所や史跡を巡った。かつて暮らしていた地域の拝所に、今年2月に母の清子さんが93歳で亡くなったことを報告しようと計画。上地さんは「母は喜んだと思うし、空港内に史跡が残っていることを多くの人に知ってほしい」と話した。(社会部・銘苅一哲)

那覇空港内に残る大嶺の史跡をめぐる上地政己さん(左端)ら=17日、那覇空港

 上地さんが空港の敷地に入ったのは15年ぶり。「その頃は地域の先輩が拝所を巡っていたが、その後は私を含めて訪れる人は少なくなっていたようだ」という。那覇空港事務所によると空港敷地内の史跡は申請すれば見学が可能で、現在は2、3カ月に1件のペースで申し込みがある。

 上地さんは県外で生活していたことも重なり足が遠のいていたが、母が亡くなったことを機に親戚や知人との訪問を思い立ち、那覇空港事務所に立ち入りを申請した。

 17日は地域の繁栄や航海の安全を祈った龍宮を祭る石碑や、地域の人々が水をくんだヒージャー川などを訪ね、飛行機が離着陸する滑走路を背に花を手向けて手を合わせた。

 上地さんは「両親は沖縄戦で土地を追われて田原に移り住んだが、空港内に残っているこの地域は私のルーツでもあり大切な場所」と訪問できたことを喜んだ。

 その上で、貴重な史跡が残り見学できることを多くの人に知ってほしいと話した。