4月の道路交通法改正に伴い、自社製品の配送などで「白ナンバー」の車を一定台数以上使う事業者に対し、運転する人が酒気を帯びていないか確認が義務付けられた。本格的な検査が必要なのは10月からだが、前倒しで検知器の利用を検討する事業者が相次ぎ、機器は売り切れの状況。従業員にルールをどう周知するか、事業者の模索も続く。(社会部・棚橋咲月、比嘉太一)

検知器で検査した結果を記録する村山直輝支店長(左)と従業員=15日、那覇市

 改正道交法では、白ナンバーを5台以上か、定員11人以上の車を1台以上使う事業者に、運転前後の酒気帯び検査が義務付けられた。4月からは目視で、10月からは検知器を用いての検査が必要で、内容は記録して1年間保存する。

 那覇市のダスキン具志店では、4月から朝と夕方の2回、簡易型のアルコール検知器4台を使って検査結果の記録を始めた。

 社有車39台全てが白ナンバー。従業員は朝、出社時に検知器で検査し、結果を別の従業員が確認する。村山直輝支店長(45)は「今のうちから検査を習慣付けていきたい」。検査漏れがないよう毎日記録簿を確認するものの、忘れそうになる人もいるという。

 こうした検査のルールを徹底させたい事情がある。県内で2017~21年の過去5年間にドライバーが飲酒運転で最も多く摘発された時間帯は1日の中で「午前7時台」なのだ。

 県警交通企画課がまとめたアンケートによると、過去5年で午前7時台の時間帯で検挙された人は834人。午前7時から午前9時までの出勤時間帯が約4割を占める。

 同課は前日に飲み過ぎて、朝の出勤時間帯に二日酔い運転で摘発されるケースが多いと説明。事業者によるアルコールチェッカー確認の取り組みに対しては「飲酒運転防止につながることが期待できる」とした上で「飲酒運転は交通ルールを守る善良な人をも巻き込む犯罪。飲んだら『運転しない、させない』のが当然だ」と話す。

 ただ、検査に使う機器は軒並み欠品している状況だ。アルコール検知器の製造に関わるメーカー26社でつくるアルコール検知器協議会(千葉)によると、世界的な半導体の供給不足などで製造に遅れが出ている上、10月の検知器使用を前に機器を購入する事業者が相次いだ。担当者は「今年2月ごろから在庫が急激になくなった」と話しており、「10月までに生産を間に合わせるのは厳しい見通しだ」という。