【久米島】久米島町が世界最大級となる1日千キロワットを出力する海洋温度差発電設備の建設に向けた実証実験事業に、海運業大手の商船三井(東京、橋本剛社長)と佐賀大学(兒玉浩明学長)が2日までに参画した。2025年度をめどに稼働を目指す。同社は町が進める「久米島モデル」のノウハウを蓄積し、将来的にはモーリシャスやマレーシアなどで発電や海洋深層水を使ったビジネスを展開する考えだ。

 県は13年度、同町真謝で海水を使った海洋温度差発電を始めた。同事業は沸点の低い代替フロンを25・8度の海水で暖めることから生じた蒸気でタービンを回して発電。代替フロンは9度の海洋深層水で液体に戻して循環させる。

 現在は1日100キロワットを発電しており4~5人家族の10世帯程度が1日に使う電気の量に相当する。実際には実証実験の関連施設の電力として使われている。

 町は19年度から町単独で実証実験を行っており、商船三井などが本年度から加わった。施設の維持管理や実験で年間700万円程度がかかるため、商船三井が経費の大部分を負担する形で事業を進めていく。

 施設建設で1日千キロワットを発電できれば、同町での需要の1~2割程度に当たることから、同社は売電も視野に入れる考えだ。千キロワットを発電する施設は米ハワイでも検討されている。

 また同社は、同町に現在ある海洋深層水の取水施設は陸上設置式のため、海上施設から取水する浮体式の導入で事業の大型化も検討したいとしている。

 大規模発電施設建設には現在の海洋深層水の取水量を1日当たり1万3千トンから10万トンに増やすための施設増設が必要で、100億円程度といわれる経費のめどは立っていない。(南部報道部・又吉健次)