「ノット・イン・マイ・バックヤード」(NIMBY、自分の裏庭には置かないで)。米軍基地問題に対する本土側のこうした意識が根強いことが分かる結果となった。

 共同通信社が全国の18歳以上の男女を対象に実施した郵送による世論調査で、沖縄の基地負担が他の都道府県と比べて「不平等」と答えたのは、「どちらかといえば不平等」を合わせ79%に上った。

 基地の一部を県外で引き取るべきだとの意見に「賛成」は計58%だったが、自分の住む地域に基地が移設されることには「反対」が計69%を占めた。

 つまり、「迷惑施設」が一部に偏っているのは不平等だと思うが、自分の近くには来てほしくない、という本音である。

 県民対象の同じ調査では県外での引き取りには「賛成」が計75%に達した。県内では不平等な処遇に対して、県外移転を求める声が根強い。

 戦後77年にわたり、沖縄は基地の過重負担に苦しめられてきた。小学校の運動場には米軍ヘリの窓が落下、民間地にヘリが不時着炎上、深夜・早朝の騒音、提供区域外での訓練など、理不尽な出来事が後を絶たない。

 日常を脅かす危険な基地と隣り合わせの暮らしを強いられているのは沖縄側の問題ではない。調査から浮かび上がるのは、沖縄の基地問題が日本全体の問題として認識されていない現状だ。

 過重な基地の押し付けに対し、本土の無関心や無理解をなくすと同時に、問題を解決するには政治が責任を果たすべきである。

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 全国調査では、60代以上の高年層56%が沖縄の米軍基地を「大きく減らすべきだ」と答えた。一方、30代以下の若年層では「現状のままでよい」との回答が46%と最も多かった。世代間で基地負担軽減に対する考えの違いも明らかになった。

 本土から米軍統治下の沖縄に基地が移転した形成を知らない世代も増えた。沖縄戦などの記憶や継承も薄れ本土との歴史認識の溝は深まる。

 沖縄へのイメージでは、高年層は「多くの人が悲惨な体験をした戦地」が最も高かったのに対し、若中年層は「海などの自然を楽しむ観光地」がそれぞれ首位だった。

 国土面積の0・6%しかない沖縄に米軍専用施設の約7割が集中し、経済発展の阻害要因の一つになっていることなど、沖縄が置かれている現状認識にも世代間で差が鮮明となった。

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 米軍基地問題に関する本土と沖縄の認識は「温度差」という言葉で表現される。これまでも「総論賛成各論反対」という議論が続いた。

 調査では、日米安保は「今のままでよい」が65%を占めた。基地問題は、日本の安全保障政策の中核で、日本全体で解決すべき問題である。応分の負担をどうするかの議論を進めるべきだ。

 稲嶺恵一元知事は、基地に対する県民感情をマグマにたとえ「一度、穴が開くと大きく噴出する」と指摘した。

 本土側には沖縄のマグマの現状を直視してほしい。