今春、東京都内の特別支援学校、都立永福学園高等部就業技術科を卒業した94人が作った首里城のモザイクアートが海を渡り、那覇市の首里城公園に届いた。生徒たちが2年生だった2020年に修学旅行でひめゆりの塔を訪ねて納める予定だった折り鶴を貼り付け、1年かけて完成させた大作。同公園内の首里杜館1階の情報展示室横で展示されている。
作品は縦90センチ、横165センチ。首里城正殿と大龍柱をカラフルに表現した。新型コロナの影響で修学旅行は中止となったものの「折った鶴で何かを作りたい」と生徒らが首里城復興を願って制作した。
沖縄美ら島財団首里城公園管理部広報企画展示係の安里成哉係長によると、作品を写真撮影する来園者も多いという。「生徒の皆さんが首里城のことを思ってくれてうれしい。復興を願う気持ちを受け止めたい」と感謝を述べた。
同科の秋谷昌義教諭は「卒業生が自分で働いたお金で沖縄に旅行し、作品と再会できたらすてきだなと思う。後輩たちには沖縄への修学旅行で、この作品と対面してほしい」と期待した。(社会部・當銘悠)