沖縄県大宜味村喜如嘉の「ぶながや窯」の麦わら帽子でこのほど、やんばるにのみ生息する固有亜種のホントウアカヒゲが子育てしている姿が観察された。
窯の平良かず子さんによると、営巣に使われた帽子は、工房内に10年以上掛けられたままになっていたもの。頭にかぶる円筒部で4羽のひなが育った。
4月5日、浦添市から訪れた安里裕子さんが、窯のそばを離れないスズメほどの大きさの赤い鳥に気付いた。同15日に再訪すると、今度は「ピーピー」という声を聞いた。暗い場所にある帽子にライトを当ててみると、小さなひなが大きな口を開けて鳴いていたという。
「えっ、まさか」。捨てようかと考えていた帽子での営巣に「とても驚いた」と話す平良さん。「またこの工房で子育てしてほしい」と笑顔を見せた。
(北部報道部・金城健太)