沖縄タイムス社は沖縄の日本復帰50年を記念したシンポジウム「変貌する安全保障環境と沖縄」を7日、那覇市のタイムスホールで開いた。「南西諸島と台湾有事」と題して講演した防衛ジャーナリストの半田滋氏は台湾有事が勃発した場合に沖縄が巻き込まれることに懸念を示し「日本が戦争回避を訴えるべきだ」と強調した。(5月13日新聞に詳報)

変貌する安全保障環境と沖縄について議論する防衛ジャーナリストの半田滋氏(左)と国際政治が専門の山本章子琉球大准教授=7日、那覇市久茂地・タイムスホール

 半田氏は、ロシアが侵攻したウクライナに対し米国は軍派遣を否定した一方、台湾に関しては米国の防衛責務を明言するなど対応が異なる点を指摘。台湾有事の際、米国が沖縄本島の基地から出撃し、自衛隊が安全保障関連法に基づき米軍を支援すれば、沖縄が攻撃される事態に発展する可能性があると言及した。

 さらに、海自が近年、南シナ海などで他国軍と共同訓練を実施していることにも言及し「専守防衛であったはずの自衛隊が中国へ常時圧力をかけている」と指摘。昨年、南西諸島で自衛隊統合演習を米インド太平洋軍司令官が視察したことに触れ「米は台湾有事が起き南西諸島で戦争することを考え始めているのではないか」と述べた。

 半田氏は、こうした事態を避けるには(1)米が参戦しない(2)中国に武力介入させない-ことが重要だとし「日本が全面に出て訴えるべきだ」と提言した。

 パネルディスカッションでは山本章子琉球大准教授も登壇。防災時の支援を前面に島しょ地域で米軍と自衛隊が連携を深めていることや、日本政府の外交努力不足などを指摘した。

(政経部・大野亨恭)

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