元外務次官で杉山晋輔前駐米大使は10日、沖縄県那覇市内であったシンポジウムで、県が求めている日米地位協定の改正を米側に働きかけてこなかったのは、米側に「反米」「反安保」と誤解され、日米安保体制の基礎を揺るがしかねないとの懸念があったと明らかにした。

杉山晋輔氏

 米議会の上院外交委員長らと話をした経験を踏まえ「地位協定改正を言うのは反米、反安保の人で、その人たちが話すようにすると、日米安保の基礎が崩れると思っている米国の人は結構多い」と指摘。

 県民の大半は日米安保に反対していないとの認識を示し「そういう(米側の)理解が必ずしも十分ではない。こちらがその説明をしていないからだ」と日本政府の説明不足を挙げた。

 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する特別協定や環境補足協定など「(改正と)かなり近いことをやってきた」としたが、改正を言わなかったのは「地位協定の改正で、反米に火が付くという議論が、政府の中ですごく大きかった」と振り返った。

 杉山氏は、県民が主義主張ではなく生活の問題として改正を求めているとの認識を示し、「東京でそういう理解は必ずしもされていない。米国ではもっとされていない。しっかり伝えないといけない」と述べた。

 シンポは沖縄が日本復帰50年となるのを受け、読売新聞社が主催した。

(政経部・大城大輔)