「沖縄県内外の若者たちと共に復帰を考えたい」。そんな思いを胸に、取材を重ねて来た「#復帰検定~オキナワココカラ」。最終回はこれまでの取材で得た情報を基にした出前授業を開催した。沖縄タイムスとNHK沖縄放送局の20代の記者や職員でつくる取材班は、うるま市の県立石川高校と宜野湾市の沖縄国際大学を訪れ、生徒や学生約50人と共に復帰の意義について考えた。

沖縄にとって「日本復帰」「琉球として独立」「米国統治のまま」のいずれの選択が良かったと思うか、グループに分かれてディスカッションした=4月26日、石川高校

■10代の目に「復帰」はどう映るのか

 10代の目に復帰はどう映るのか、私たちは生徒たちの疑問に答えられるだろうか-。「#復帰検定」取材班は4月26日、うるま市の県立石川高校を訪れた。沖縄の日本復帰に関する出前授業を開くためだ。楽しみと緊張で胸がドクドクと脈を打つ。午後2時55分、6時限目開始のチャイムとともに、授業が始まった。

 授業には2年生と3年生の約30人が参加。まずは、「#復帰検定」特集の第1回で取り上げた「復帰時に広まったうわさ」を紹介した。当時の沖縄では「日本に復帰したら雪が降る」「復帰で日本と沖縄がくっつく」などのうわさが広まった。

 「現実味がない話が信じられるほど、県民にとって復帰は大きな社会変化だったんだと思います」。私はうわさを実際に聞いた人や識者への取材を通して感じたことを、生徒たちに伝えた。

■「復帰検定」に挑戦「やばい。全然分からない」

 これまでの「#復帰検定」クイズにも挑戦してもらった。生徒たちは友達と相談しながら解答し、時折ペンを止めて考え込む姿も。解き終えると「やばい。全然分からない」「めっちゃ難しい! 3問ぐらいしか解けなかった」と苦笑いを浮かべた。

 もし自分が復帰を体験したら…。授業の終盤では、8グループに分かれて(1)日本に復帰(2)アメリカ統治のまま(3)琉球国として独立-のいずれを選ぶか話し合った。

 「沖縄の伝統や文化を残したい」「他国に攻められるのを防がなきゃ」「米軍の事件がなくなるには、どうしたらいいかな」。生徒たちは思い思いに意見を出し合い、議論を深めた。

■「選択肢があること自体が平和じゃない」

 8グループのうち独立を選択したのは4グループで最多。2年生の上間大樹さん(17)は「沖縄は所得が低い。独立して外国の企業を多く誘致すれば、優秀な人材を育成できて給料が今より上がるのではないか」と選んだ理由を説明した。

 次いで、3グループが「日本に復帰」を選択した。

 選択肢のどれも選択せず「世界中の国を一つにまとめる」と新たな答えを導いたグループもあった。

 メンバーの一人の池宮城央嬢(おひな)さん(17)=3年生=は「戦争がなかったらアメリカに統治されることもなかった」と指摘。「国も法も一つにすれば、戦争や差別はなくなるはず。選択肢があること自体が平和じゃない」と話した。

 授業を終え、思ったより問題が解けなかったと打ち明けた3年生の照屋朱梨さん(17)。「沖縄のことをもっと深く知りたいと思った」と力を込めた。
(北部報道部・玉城日向子)