海岸に漂着した軽石や琉球赤瓦を使って造られたピザ窯がこのほど沖縄県の南城市大里に完成し、ピザ作り体験教室を行っている。4月にオープンした「MAKI de pizza(マキデピッツァ)」オーナーの島袋悠乃さん(34)が、全国を回ってピザ窯などを造る「窯アーティスト」の工藤修二さん(47)に制作を依頼。ピザ作りを通して「窯の迫力や制作に込められた思いを、一緒に体験できたら」と期待している。(南部報道部・我喜屋あかね)

軽石や琉球赤瓦でできた窯を使い、ピザ作り体験教室を開催しているマキデピッツァ。オーナーの島袋悠乃さん(右)と、友人の浜川愛さん=4月27日、南城市大里古堅

軽石も使って造ったピザ窯に、トッピングを乗せたピザ生地を入れる参加者=4月27日、南城市大里

軽石や琉球赤瓦でできた窯を使い、ピザ作り体験教室を開催しているマキデピッツァ。オーナーの島袋悠乃さん(右)と、友人の浜川愛さん=4月27日、南城市大里古堅 軽石も使って造ったピザ窯に、トッピングを乗せたピザ生地を入れる参加者=4月27日、南城市大里

 ピザ窯は今年1月に制作を始め、17日間で完成した。依頼があれば全国各地に出向き、その土地にある材料でピザ窯を造る工藤さんは、ニュースで見た沖縄に漂着する軽石に着目。軽石は水に浮くほど多孔質で空気を含んでおり「熱を伝えない断熱材に世の中で一番適しているのは空気。軽石は相当良い断熱材になる」と確信したという。

 窯の断熱材に使用した軽石は、与那原町に漂着したもの。3層構造でできた窯の2層目に敷き詰め、外に熱が逃げないようにした。外装は与那原町の瓦工場から廃材を譲り受けて装飾し、一部には軽石も塗り付けた。

 工藤さん自身、県外で天然素材の家造りを進めていることもあって「古代ローマでは火山灰や海水、消石灰を混ぜてセメントのような物を作っていたと文献で読んだ。自分のコンセプト通りにできたし、そういう意味でも傑作だと思う」と胸を張った。「軽石を断熱材として使えるのかどうか、大学機関などでの研究が進めば、立派な資源になるはず」と話した。

 4月27日のオープン日。島袋さんの友人の浜川愛さん(35)が開始約2時間前から火を付けてまきをくべ、窯の中を400度以上に温めた。島袋さんが作る大人用のピザソースに混ぜたハーブは、地元南城市で取れたもの。ピザ生地は国産小麦に伊江島産を混ぜ「伊江島で小麦が作られていることを知ってほしい」との思いを込めた。

 初めてのお客さんは、インスタグラムで窯を知り「子どもたちに何か体験をさせたくて」と家族4人で参加した島袋結子さん(36)。娘の凪ちゃん(4)、珀ちゃん(3)と選んだ具材を柔らかなピザ生地に乗せ、夫の洋さん(35)も一緒にピザを焼き上げた。完食した子どもたちを笑顔で見つめ「全部手作りで、ピザ生地を触った感触もとても気持ちよくて。小さな頃を思い出して、大人も楽しかった」と大満足した様子だった。

 マキデピッツァのピザ作り体験教室は不定期開催。住所は南城市大里古堅1265の3。