沖縄の日本復帰50年を迎える節目の「5・15平和行進」。参加者は小雨の中、米軍普天間飛行場や嘉手納基地を巡る本島中部のコース約9キロを歩き、沖縄が復帰後に歩んだ半世紀や今後の沖縄の未来を考えながら、平和に向けて思いを一つにした。(1面参照)

5・15平和行進の出発式で気勢を上げる参加者たち=14日、宜野湾市民会館前(下地広也撮影)

 午前9時、集まった約千人が普天間飛行場がある宜野湾市の市民会館を出発。しとしと雨が降る。1972年5月15日の復帰の日も雨だった。「基地のない平和な島をつくろう」「辺野古新基地を造らせないぞ」などと訴えながら歩みを進めた。

 国公労の比嘉貞夫さん(63)は、名護市辺野古に新基地建設が進められ、南西諸島に自衛隊基地まで強化される沖縄の現状に「平和を巡る状況は悪化していると感じる」とため息をつく。「世界中から戦争がなくなってほしい」と願いながら行進していた。

 北中城村に入ると、しばらくキャンプ・フォスターのフェンスが続く。本島中部に住む40代女性は「基地周辺を歩くと、広いんだなと改めて基地の大きさを感じた」。沿道では行進団に手を振る人の姿もあった。

 県高教組の幸地一さん(59)は、小学3年生だった復帰の日を思い返した。当時は深く考えなかったが、広大な基地が今も残っているのを見ると沖縄が望んだ復帰ではなかったんだと実感する。「若い人に正しく歴史を伝えていかないといけない」と力を込めた。

 徳島県の鈴木圭吾さん(52)は「新基地建設を強行する国の横暴は目に余るが、地元ではなかなか報道されない。沖縄の地を歩いて感じたことを四国でも発信したい」と決意。京都から参加した青田晃一さん(33)は「少しでも県民に寄り添い考える機会にしたい」と話していた。

 正午過ぎ、沖縄市の八重島公園に到着した参加者らはガンバロー三唱。「私たちはどのような戦争にもくみしない。沖縄を再び戦場にしない」とのあいさつに拳を高く突き上げた。全労済労協沖縄支部の久手堅ひかりさん(24)は「皆で平和への思いを一つに行進できた。憲法を巡る現状について、もっと勉強していきたい」と歩みを振り返った。

 平和行進は新型コロナウイルスの影響で、2020、21年が中止となったため3年ぶりに実施した。(社会部・當銘悠、政経部・新垣亮)