月桃の葉に包み、出来たて熱々の状態で提供するまんじゅう=那覇市首里久場川のぎぼまんじゅう

■ぎぼまんじゅう「のまんじゅう」

 行事などで昔から親しまれている縁起物の「のまんじゅう」。那覇市首里久場川町にある創業100年超の老舗ぎぼまんじゅう(祖慶米子代表)は、昔と変わらない味で幅広い世代に親しまれている。

 熱々もちもちのまんじゅうに食紅で「の」と書かれているのが特徴だ。原料は小麦粉、水、砂糖、塩とイースト菌のみ。ぎぼまんじゅうは、戦前に創業。戦後、本格的な商売を始めた。約20年前に首里儀保町の盛光寺の敷地内から、現在の首里久場川町に移転。レシピは変わらず昔ながらの味を守っている。

 毎日午前5時半ごろから、1日400~500個製造し、毎日完売する。北部や南部、離島に帰る前に購入するお客さんもいるという。年齢層も幅広く、学生からお年寄りまで、多くの人に愛されている。

 人気の秘訣(ひけつ)について3代目の祖慶豪さんは「手を加え過ぎない、シンプルで昔ながらの味が受け入れられている」と分析。「これからも変わらない味を守り、後生に伝えていきたい」と話した。(政経部・川野百合子)

 昔懐かしい味は、飽食となった現代でも多くの沖縄県民に選ばれ続けている。戦後、米軍によって持ち込まれた欧米文化の影響を受けて生まれたアイスや加工食品、和洋折衷のローカルフードなど独特の食文化が根付く沖縄。戦前から変わらぬ味を提供し続ける縁起物を含め、県民に長年愛されているロングセラー商品の誕生の背景や歴史を紹介する。