読谷村出身で全盲のテノール歌手、新垣勉さん(69)は、復帰記念式典で国歌「君が代」を独唱した。沖縄戦や米軍統治下、そして日本復帰と、県民の中に君が代に対する複雑な思いが今も交錯する中、新垣さんは「沖縄の平和を願い、生きる限り歌い続ける」と歌った。

国歌独唱したテノール歌手の新垣勉さん=15日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター

 新垣さんは復帰時の1972年は盲学校に通い、生徒会長を務めていた。復帰に伴う沖縄の問題を考えようと、校内で討論会を開き、仲間と熱く議論した思い出もある。

 50年を経ても変わらない過重な基地負担に「基地がないことが理想だが、現実は違う。武器を持たないことによる平和も選べるはずだ」と訴える。

 米軍兵士の父と日本人の母の間に生まれた。「沖縄戦がなければ、私は生まれていなかった。歌うことで、米国と日本の平和の懸け橋になりたい」と話した。(社会部・東江郁香)