復帰50年式典には元沖縄県知事の稲嶺恵一、仲井真弘多の2氏が出席した。式典終了後、稲嶺氏は本紙の取材に応じ、「非常に複雑な思いで式典に臨んだ。世論調査で県民の多くは復帰そのものは良かったと述べているが、復帰から50年経ても基地問題は依然残っている。子どもの貧困も非常に大きな問題だ」と述べた。
玉城デニー知事や岸田文雄首相らのあいさつで両氏ともに辺野古新基地問題に触れなかったことには「反対、推進、互いの立場も異なる。気を遣ったところもあるだろう」とおもんぱかった。
登壇者の演説では「対馬丸」の生存者、高良政勝さんや、若者らのあいさつが特に印象に残ったという。「沖縄戦の教訓や子どもたちの未来をよりよいものにする、というのは県民が一つになるテーマ。まだまだいろいろな課題があるが県民が一つになれば必ずベターな解決に至る」と述べた。
仲井真氏も式典終了後、記者団の取材に「日本国民全員にありがとうと言うしかない。50年で日本も沖縄も変わった。『おかげさまで』のひと言だ」と感想を述べた。
沖縄のさらなる発展には日本国民の理解と協力が必要としつつ、今後の展望については「ウチナーンチュはそのままいけばいい。このままで大丈夫だ」と話した。
(政経部・又吉俊充)