【ビジネス視点で人気の秘密を分析】

高速アウトプット、自分らしさ追求で差別化

■堀家 盛司さん

 

 現代のマーケティングの基本は、常にベターを探し続けるという姿勢だ。昔は時間をかけてベストを追い求める選択肢もあったが、取り巻く環境が目まぐるしく変わる現代は、ベストの賞味期限は短く瞬間風速的なものにすぎない。一方、彼らがプラットフォームとして活用しているYouTubeは、動画を公開すると視聴者からの反応を再生回数や高評価、コメントなどを通じて素早く受けることが可能だ。受け取った新鮮なリアクションをすぐに次のアウトプットに生かすというサイクルを高速で回すことができている、それが支持されるコンテンツを発信し続けられる理由のひとつだろう。

 ブランディングの観点から言えば、自分たちが一番楽しむことを意識の中心に据え活動してきたことは、自分たちらしさを突き詰めることに繋がった。マーケティングでつかんだニーズを踏まえつつ自分たちらしさを差別化要因として強化していったともいえる。

 また、いま「パーパス」という呼び方で、企業の存在意義を企業活動の中心に据えていく動きが世界的に注目されている。SDGsや持続可能な社会が掲げられる中で、自分たちの社会に対する志とその行動をしっかりと示していくという流れがある。

 彼らはそういった時代の流れにも敏感で、社会の中での自分たちなりの立ち位置を、自然に考えているように見える。例えば漂着した軽石除去を視聴者に呼び掛けたときは、当初、成分の安全性が検査できておらず拾ってはいけないとされていた段階から「できるようになったらみんなでやりましょう」とアナウンスも含めてしっかりやっていた。視聴者を大切にしたいという姿勢もうかがえる。

 彼らは、自分たちの思い出を記録することから始まり、プラットフォームを通じた発信で自分たちに向けられる反応を受け入れつつ、社会の中の自分たちの立ち位置を模索しながら進んできた。その活動を通じて形作られてきたイメージこそがブランドそのもので、既に独自のものを確立できている。

ほりけ・せいじ 1980年長崎県生まれ。
経営コンサルタント。CANAU合同会社代表。
沖縄県よろず支援拠点コーディネーター

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 新聞ではこんな形で紹介されました(2022年5月14日発行「復帰50年特集」)。電子新聞でもお読みいたけます。画像をクリックしてください。