コザの街で長年愛され、昨年11月に店舗立ち退きのため閉店した沖縄市の中華料理店「北京亭」。店主の仲本兼和さん(85)が、沖縄市中央のパークアベニューへ店舗を移転し再オープンしようと挑戦している。営業を再開し「後継者をつくりたい」(仲本さん)と、これまで培ってきた技術を教え伝えたい考えだ。その思いを受けた街の人が「味を継承してほしい」と必要な資金集めに向けて立ち上がった。(中部報道部・屋宜菜々子)

クラウドファンディング返礼品のオリジナルTシャツに身を包んだ「北京亭」再オープンを目指す仲本兼和さん(左)と支援する仲本武史さん=11日、沖縄市中央・パークアベニュー

 仲本さんは嘉手納町出身。川崎市の中華料理店で修行後、沖縄市照屋で「北京亭」をオープンしたのは日本復帰間もない1973年ごろだった。

 同市中の町へ移転後は「李白亭」の店名で営業。一時期の休業を挟み、同市中央のパルミラ通りで「北京亭」として営業を続け、ギョーザや五目そばなどの料理は、地元やファンに愛された。

 大忙しだった昨年11月末の閉店日。仲本さんは午前10時から午後11時まで働いても「体力が持った。もう少しはできるな」と思った一方で「後継者もいないし」と調理機器を手放した。

 閉店後、周囲から継続を望む声が上がり仲本さんは迷っていたという。「いつまでできるか分からないし、機器もない」。

 その状況を聞き付けたのが同市のパークアベニューに事務所を構える県ローラースポーツ連盟理事の仲本武史さん(54)だった。兼和さんと相談し、クラウドファンディング(CF)で資金調達を始めた。

 CFサイトにアップされた動画には複数の市民が出演。営業再開や味の継承に向けてPRするなど、支援の輪が広がっている。

 武史さんは後継者がいない場合でも「長く愛された店の味を、街の力で継承していければ」と考えている。

 再オープンに備える兼和さんの日々は忙しい。体力維持のため、毎日7、8千歩のウオーキングを欠かさない。コロナ禍のニーズに合うようテイクアウトしやすい料理や、カロリーを気にする人にも中華料理を楽しんでもらいたいと、糖質を抑えた新メニューの開発にも取り組んでいる。

 100万円を目標にCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイア)」で資金を募っており、店舗の契約や調理機器の購入などの費用に充てる。詳細は同サイトで「北京亭」と検索、またはQRコードから確認できる。5月31日まで。