【屋我地島=名護】沖縄県名護市我部で10日、捨て犬のトイプードルが保護された。5月初旬に区民から寄せられた目撃情報を受け、同区の眞喜志克也区長がゴールデンウイークの連休返上で島内中を探し回り、区内で見つけて市に引き渡した。眞喜志区長は20年にわたり琉球犬やゴールデンレトリバー、柴犬などを飼ってきた愛犬家。島では今年2月から頻繁に捨て犬が確認されているといい、「犬を捨てるなど断じてあってはならない」と力を込めた。

捨てられたトイプードルと我部区の眞喜志克也区長=10日、我部公民館

 トイプードルが最初に目撃されたのは、ゴールデンウイークに入る4月28日。目撃した嶺井希さん(43)によると、同日夕方、区内のバス停付近で首輪のない状態で座っていて、人慣れしていた感じだったという。翌29日には、同区内の70代の男性もバス停留所から少し離れた通称「ウフブックガーラ」(大袋川)で似たような犬を見たという。

 情報を基に探し回った眞喜志区長が10日、前垣の民家の軒先にうずくまっているトイプードルをようやく発見。市環境対策課へ連絡した。同課職員によると、推定年齢10歳。歯は虫歯でボロボロになり、白内障の症状もあった。

 同日は公民館でミニデイが行われていて、参加していた70~90代の女性らは、「なぜ捨てたのか」などと捨て犬を見て悲しんでいた。70代の女性は「飼い主は虫歯になっても白内障になっても病院にも連れて行かなかったか。ペットは家族の一員だよ」と嘆いた。

 トラックで引き取られる前、トイプードルに水を飲ませた眞喜志区長は「犬でも猫でもどこにも捨ててはいけない。トイプードルのまぶたの奥に飼い主の姿が重なってきた気がした」と怒りをあらわにした。(玉城学通信員)