沖縄本島内の小学校で、教諭の立場を利用して児童の体を触ったとして、50代の男が強制わいせつ容疑で逮捕された。

 今年1月、就業時間内の校内の人けのない場所で2人きりになり児童の体を触った疑いが持たれている。被害児童が翌日、別の教諭に相談して発覚した。数日後、学校側から警察に被害の届け出があった。

 県警は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。

 県教育委員会は児童生徒にわいせつな行為を行ったとして男性教諭を3月17日付で懲戒免職にした。逮捕を受け半嶺満教育長は「教育に携わる者としてあるまじき行為」とのコメントを発表した。安全であるべき学校内でのわいせつ行為で断じて許せない。

 教師による性犯罪は「教える側」と「教えられる側」という権力関係に付け込むため早期発見が難しい。子どもは「周囲に信頼されている先生」から、自分がひどいことをされているとなかなか打ち明けられない。

 今回は児童のSOSが被害届につながった。県警は全容解明を急いでほしい。

 一方、県警や県教委は、元教諭の年齢や行為の内容、過去に勤務した学校などを公表しなかった。児童のプライバシー保護や二次被害防止を理由にした対応で理解できる。

 ただ県教委による処分公表が約2カ月遅れたことには疑問が残る。他に被害児童がいたかもしれない。プライバシーを守りつつ、速やかに公表すべきだった。

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 わいせつな行為とは、相手の同意なしにキスをする、服を脱がす、乳房をもむ、服の中に手を入れるなどの行為に及ぶことだ。信頼する教師からわいせつ行為を受けた子どもたちは恐怖でひどく混乱し、心身に与える影響は計り知れない。

 4月に施行された、教職員による児童生徒への性暴力を防止するための法律では、学校現場に性暴力についての定期的な調査や相談体制の整備、被害に遭った児童生徒へのケアを求めている。

 中学生の頃に教諭からわいせつ行為を受けた県内の女子生徒が高校進学後に自殺した問題は、母親の訴えで発覚した。

 加害教諭が懲戒免職になったにもかかわらず中学校から高校への申し送りがなく生徒は一人悩んでいた。学校で適切なケアを受けることができれば、自殺を防げたかもしれないケースである。

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 子どもにとって大人からのセクハラや性暴力を告発することはとても難しい。

 小学生の頃地域のクラブコーチから性暴力を受けた県内の30代女性は「母親にも打ち明けられなかった」と取材に答えた。後輩からの訴えで被害が表立った頃、ようやく口にできたという。女性は中学生になっていた。

 嫌なことをされたら、それが教師やコーチであっても相談していいことを子どもたちに伝えたい。その上で、学校だけでなく地域など子どもの身近な場所で相談できる体制の整備を急ぐべきだ。