2020年度に厚生労働省が全国の浄水場で水道水に含まれている有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を調べた結果、沖縄県企業局の北谷浄水場で検出された値が、全国で2番目に高いことが17日までに分かった。国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)は下回っており人体に影響はないとされるが、水道法による同目標値の順守義務や検査義務はなく、厚労省は現時点で原因を調査していない。(社会部・平良孝陽)

厚生労働省による2020年度の水道水の水質検査 PFOS・PFOA値の上位5浄水場

 厚労省は20年4月、PFASの一種であるPFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)の合計値で、水道水の暫定目標値を設定。その前後で全国の浄水場を調査した。

 同年4月~21年3月の間の調査では29浄水場のうち、愛知県の豊山配水場で1リットル当たり63・6ナノグラム、北谷浄水場で23ナノグラム、長野県の田麦浄水場で21・3ナノグラム。暫定目標値を超えた豊山配水場は21年3月から取水を停止している。

 20年1~3月の調査では39浄水場のうち、兵庫県の明石川浄水場が46・4ナノグラム、東京都の国分寺北町第二浄水所(現・国分寺北町給水所)で29・2ナノグラム、北谷浄水場で26ナノグラムと続き、全国で3番目に高い値が検出された。

 調査地点は環境省が全国で調査した地下水や河川などの下流にある浄水場。単純比較はできないものの、厚労省の担当者は「選定した中では北谷浄水場は全国的に高い値と言える」と述べた。

 環境調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表は「暫定目標値が設定されて2年がたつが、対応は自治体任せでひとごとのようだ。国で原因を調べるなど本質的な方向性が見えない」と指摘する。

 米国では米環境保護庁(EPA)が生涯健康勧告値(1リットル当たり70ナノグラム)を示している。70年間摂取しても健康に影響がないとされている値だが、より厳しく見直す動きがある。

 すでに米国の州ではさらに低い値を基準としており、河村代表は「北谷浄水場の値は安心できる値ではない。日本政府も最新の知見を蓄えて対処するべきであり、県もそのように働きかけるべきだ」と述べた。

 北谷浄水場を管理する県企業局は、これまで国に基準の設定を促し、汚染源とみられる米軍嘉手納飛行場への立ち入りを求めている。「目標値内でも、それで良しとしているわけではない。より安心できるよう努める」といい、高濃度の水源から取水を停止するなど解決策を探っている。