沖縄市出身の祝嶺良太さん(40)が経営するライフケア・ビジョン(大阪市)は、介護の必要のない高齢者向け賃貸マンションを展開している。センサーで心拍数や呼吸などを把握し、異常を察知すると通報するバスタブやベッドを設置。バスタブは1分以内に自動で排水する独自システムで特許を出願した。溺死などの事故を未然に防ぐ環境を整え、介護に頼らない暮らしを提供する。「いつまでも元気に過ごせる社会を実現する。いずれは沖縄にも貢献したい」と意気込む。

ライフケア・ビジョンが建設したアクティブシニア向けのマンション=大阪府吹田市(提供)

 ライフケア・ビジョンは、大阪府を中心に有料老人ホーム22施設の運営などを手がけている。介護事業では、入居者の利便性向上と職員の負担軽減のため、IT化を推進している。

 ベッドにセンサーを取り付け、入居者の健康状態を把握することで、職員の見回りを減らすなど、労働環境改善に取り組む。異常をいち早く察知できるようになり、転倒などの事故リスクも低減している。

 高齢化が本格化する中、祝嶺さんが着目したのは元気な65~80歳の「アクティブシニア」。介護の必要はないが、万が一のけがや病気が大ごとになりかねず、不安を抱えて暮らしている人が多い。見守る人のいない独り暮らしの場合、やむを得ず施設に入ることもあるという。

 介護施設運営で培った技術を生かし、センサーによる体調管理システムやナースコールなどを備えたマンションを開発。1月に吹田市に1棟目を建設した。

 1階に併設したカフェでは料理や陶芸などの教室のほか、スマートフォン講習会も計画。入居者同士や地域との交流拠点として生きがいづくりにも取り組む。

 同社は、マンションのシステムを既存の住宅に転用できるような設計づくりにも着手。住み慣れた家から離れずに暮らせるようなるため、ニーズは高いと見込んでいる。沖縄を含めた全国展開も検討している。(東京報道部・照屋剛志)